慢性下痢の正体

朝の通勤時に、急にお腹が痛くなって途中で電車を降りてトイレに駆け込んだ経験って誰にも一度くらいはあるのではないでしょうか?
冷たいものを飲み過ぎたとか、生ものでちょっとお腹が緩くなったとか、なにがしかの原因があって、つまりいわゆる急性の下痢であれば、それは一過性のものですが、実は慢性下痢は、特に直接的な原因があるわけではなく普段通りの生活をしているのに、下痢の状態が続いてしまいます。

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私自身も長い間、慢性の下痢で悩んできました。
つい最近まで週に何度かは、通勤途中で駅のトイレに駆け込んでいました。ひどいときには約1時間の通勤時間で、2度以上も途中下車をしなければならないこともありました。
なるべく朝は早めに起きて、家で何度かトイレを済ませてから通勤したりしてはいるのですが、どうしても途中でという時があるわけです。

電車を途中で降りなくてはならないため、急行電車に乗ると急な便意に対応できず各駅停車にしか乗れないということで、「各駅停車症候群」と言われることもあります。
慢性下痢について、ネットで情報を調べたり、お医者さんにも相談し、自分自身でも色々なチャンレンジをしてきたので、このページで紹介していきたいと思います。

最初に言っておくと、単なる下痢と考えると、実はその裏に重大な病気などが隠れていたりする場合もあるようです。軽く考えすぎるのは良くありません。悩んでいるよりは病院で相談してみるといいでしょう。その一方で、お医者さんもなかなか会話だけでは、本当の状況を理解できずに、その人の(私の経験では私の)真の原因に必ずたどり着けるとは限りません。
最終的には自分の体ですから、お医者さんとはうまくお付き合いしながら、任せっきりではなく自分でも状況をきちんと理解できるようになることが大切だと思います。

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まずは、慢性下痢で悩む人のほとんどの人が当てはまる2つのパターンを中心に話しを進めていきます。

1.過敏性腸症候群(IBS)

2.胆汁性下痢

ネットなどで調べると、あるいはお医者さんに行ってもそうですが、慢性下痢=過敏性腸症候群と言われるくらい、まずは過敏性腸症候群だろうと考えられます。いわゆるストレス性の下痢で、よくテレビのコマーシャルなどでもやっているように、大事な会議の前に急にお腹が痛くなるとか、本人は意識していなくても学校や職場での緊張感で、休日以外はしょっちゅうお腹の調子が悪くなる状態です。

私も最初はこれだと思っていました。お医者さんで「イリボー」という薬を出してくれますが、これで激しすぎる腸の動きが抑制されるので、いつも緩かった便が硬くなるという効果はすぐに表れます。この薬は、ストレスを感じたときに腸から分泌されるセロトニンという物質の分泌を抑えてくれます。IBSであれば、この薬を飲んでいる限りは症状は治まるということです。

私の場合は、実は過敏性腸症候群ではなかったのです。もちろん、仕事でストレスを感じることもあったので、この症状がまったくなかったわけではないかもしれません。
結論から言うと、私の場合は「胆汁性下痢」でありました。

胆汁性下痢は、食事をすると脂肪を分解するために十二指腸で胆汁が分泌されます。小腸内で働きを終えた胆汁は小腸の出口で肝臓に回収されるはずなのですが、何らかの原因で胆汁が大腸に入ってしまうと、大腸は異物が入って来たと認識して大量の水を出して胆汁を薄めようとするのだそうです。この結果、大腸内はびしょびしょになって下痢になるということです。
胆汁は夜寝ている間に作られて肝臓に保存されます。このため、胆汁性下痢の特徴は、朝食(その日の最初の食事)のあとに起きること。お腹の痛みはないこと。下痢止めはまったく効かないこと。何度かのトイレで出してしまえば回復すること。などが特徴だそうです。

NHKの「ためしてガッテン」という番組で、胆汁性下痢の話をしていたのをたまたま観ていて、「これだ!」と思い、お医者さんでその話をしたのですが、まず、循環器系のお医者さんは、「あんたの場合はストレスだと思うよ。」と譲りません。「そこまで言うなら、消化器系の先生に聞いてごらん。」ということで、消化器系の先生に相談したところ、朝食の内容と普段のアルコール摂取量を聞かれ、「まず、あなたのようにお腹の弱い人は、朝食に乳糖食品(牛乳、ヨーグルトなど)はやめなさい。」「それから、ビール500ml2本は多すぎだよ。まずはお酒を控えなさい。」とこれも肝心の胆汁性下痢の話は取り合ってくれませんでした。

確かに、牛乳とヨーグルトをやめると、症状は軽くなります。
余談になりますが、別の健康番組でコーヒーをたくさん飲む人はガンになりにくい、という話を聞いて、普段は朝食時に日本茶を飲んでいたのですが、コーヒーに変えたところ下痢がひどくなったという後日談があります。あくまで腸の弱い私の場合の話です。

胆汁性下痢の場合、「コレバイン」という胆汁を吸収するコレステロールの薬があるそうです。私は試してみてませんが、おそらくこれで症状は治まるのだろうと思います。(このページを書いた20168月時点ではコレバインを試していませんが、その後、使用することになります。)

私は今、朝食を取らずに会社に行っています。その結果、通勤時下痢からは解放されるようになりました。
昼食後に軽い下痢になることはたまにありますが、以前よりは軽症だし、何より会社にトイレはあるので、以前の通勤時の悩みに比べれば断然楽になっています。

最初に「過敏性腸症候群」と診断されてから、約3年ほどイリボーを飲み続けていました。飲むと症状は軽くなるので、完全に効いたというわけではなくても信じて飲み続けていました。
そのときに思ったのは、この手の薬(イリボーにしてもコレバインにしても)は、症状は抑えてくれるものの、病気を治してくれるわけではありません。症状を抑えるためにずっと飲み続けなければなりません。だから今、あえて「コレバイン」を処方してもらおうとは思っていません。

病気を治すためには、根本の原因を治す必要があります。

「過敏性腸症候群」であれば、ストレス解消やストレス耐性を上げることかもしれません。胆汁性下痢の場合は、胆汁が大腸に入っていかなければと思うかもしれませんが、実は健康な人でも胆汁が大腸に入ってしまうことはあるのだそうです。
そうなのです。ストレスを抱えている人=過敏性腸症候群でもないのです。胃腸や体そのものが健康であれば、過敏性腸症候群でも胆汁性下痢でも、下痢を起こすことなく健康な生活ができるはずなのです。

慢性下痢や普段からお腹の弱い人の問題は、ストレスや胆汁だけではなく、以下のような要因も考えられます。

  1. 胃酸が弱いことで消化が悪くなる。
  2. 腸内環境が悪いために腸の働きが悪い
  3. 自律神経失調によって排便がスムーズにいかない。
  4. 筋肉が硬いため血液や体液の循環が悪くなる。
  5. 胃腸が下がることで腸のぜんどう運動が鈍る。
  6. 身体が酸化して老化が進み腸の活動が弱る。

これらのうち、246 は自分で対処できるはずです。特に2の腸内環境、腸内フローラを改善して腸を健康にすることで、多少のストレスや、胆汁の大腸への流入が起こっても平気な体を作ることが根本の対策だと思う今日この頃です。

私は今、食事療法は好き嫌いもあって簡単ではないので、サプリメントによる体質改善、腸の健康改善に努めています。

 

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薬の処方や治療方法に関しては、あくまでも医師の指示に従うようにしてください。

 

 

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