胆汁性下痢
胆汁性下痢は非常に珍しいケースと言われます。
お医者さんによっては、「そんなはずではない。」と見逃すことも多いように思います。
現に私自身も、お医者さんに「私は胆汁性下痢ではないでしょうか?」と言ったら、「胆のうを切ってないんだから、そんなことはあり得ない。」と言われました。
確かに胆のうを切ったことは一つの原因ではあるのですが、それだけが原因ではないこともわかっています。
胆汁性下痢のメカニズム
胆汁は脂肪を消化させるための大切な消化液で、肝臓で作られます。一日に600~800ml、夜寝ている間に作られて一旦、胆のうに蓄積されます。
食べ物を食べると、胆汁は十二指腸で分泌され、小腸でその働きを終えると小腸の末端部で吸収され、肝臓に回収されます。
何らかの理由で、この胆汁が回収されずに大腸に流れ込んでしまうと、大腸はこれを薄めようとして大量の水を出します。
この結果、下痢を引き起こすわけです。
胆汁が大腸に流れ込む理由
- 小腸が炎症を起こし機能が劣化
- 過去に盲腸の手術で小腸を切っている
- 手術で胆のうを摘出した
- 前の晩に飲み過ぎて胆汁がたくさん作られた
胆汁が原因の下痢かどうかのチェック
胆汁は夜の間に胆のうに蓄えられ、食事が入って来たタイミングで分泌されます。
症状としては強烈な便意がありますが、何度か便を出し胆汁が出きってしまえば回復します。
以下のような特徴がある場合、胆汁性下痢の可能性があると言えます。
- その日の最初の食事後1~2時間後に下痢
- お腹の痛みはない
- 便を出してしまえばすぐに回復
- 下痢止めはまったく効かない
- ストレス性ではなさそう
胆汁性下痢の対策
- 胆汁性下痢であるかどうかを自分自身で決めつけてしまうことは危険ですが、上記が当てはまる場合、自衛策として挙げられるのは、
- 朝食の量を減らして腸への刺激を抑える、あるいは朝食を抜いてみる
- 通勤時などで心配であれば、朝食の時間を早めて家でトイレを済ませて出かける
- トイレにないところに行くときは食事を控える
病院に行って、胆汁性下痢と診断されれば、「コレバイン」という胆汁を吸収してくれるコレステロールの薬を処方してくれます。それによって症状を収まるようです。
対処療法と根本治療
あくまで個人的な意見ですが、胆汁性下痢に対する「コレバイン」や過敏性腸症候群に対する「イリボー」などは、対処療法としては有効であって、症状が治まることで毎日の生活は楽になり、精神的にも開放されるため非常に有効であると同時に、薬を飲まないと症状が出てしまうため、薬なしで過ごせるようになるわけではありません。
根本的には、腸を健康に丈夫に保つことが大切で、例えば、健康な人であれば多少、胆汁が大腸に流れ込んでも下痢になることはありません。対処量表と同時に、根本的に腸内環境を改善して腸年令を若く保つ、あるいは弱ってしまった腸を回復させるための食事療法や、サプリメントによる腸内フローラの改善は平行して進めるようにしましょう。