若いエンジニアの力で改革を進める方法を学ぶ「製品開発組織の常識をぶち壊せ」

一生勉強

手前味噌で恐縮ですが、管理人の著書です。管理人が国内外の企業で経験したこととコンサルとしてこれからやるべきことを織り交ぜた企業小説になっています。TOCで組織問題の根本を掴み、リーン開発手法やジョブ理論から独自の世界観を作り、最後は自分たちで改革の道すじをしっかりと作っていきます。ぜひ、若い力で会社を変えること、組織改革の実践の参考書にしてください。

 

作品紹介

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題 名 : 製品開発組織の常識をぶち壊せ!!

著 者 : 賀門康至

出版社 : ファストブック

 

解説

日本の製造業が「品質」で世界市場を席巻し、様々な製造企業が製品のラインナップを拡充し、生産体制を充実させるとともに、製品開発の効率化に取り組んだ結果、製品開発のオートメーション化のようなことが起こって、エンジニア個人の技術力が長い時間をかけて低下するということが起きています。

開発効率化に向けた体制変革で、効率化に対する効果はすぐに表れて、製造業の経営は安定していきますが、一方で10年、20年の経過とともに個人レベルの技術力が低下し、その結果、順調に見えた開発プロセスにも少しずつほころびが見え始めます。

具体的には、日程遅れが常態化し、開発過程や量産移行後にも品質問題が後を絶たなくなっていきます。

このような開発プロセスや組織体制のほころびに、様々な手を打とうとしますが、なかなか求めるような成果は出ません。

この本では、定年間際の主人公、鴨志田が、自分自身は幸せなエンジニア・ライフを送ってきたものの、時代の流れに乗っていつの間にか若いエンジニアが将来に不安を持つようになってしまったことに気づき、そこから若いエンジニアを巻き込み、トップと折衝しながら改革への道を切り開いていきます。

かつてはうまく行っていたのに、なぜ変わってしまったかを考えるとともに、外の世界で成功事例を見ていくことでトヨタのやり方であるリーン製品開発手法にたどり着きます。

鴨志田が組織改革を進める決心をすると同時期に、社長との会話から思いがけないチャンスをつかみ、鴨志田の改革活動がオフィシャルになっていき、60日間という時間をもらって若手メンバーを集めたプロジェクト活動が始まります。

製品開発に特化したコンサルタント芳賀との出会いがあり、プロジェクトメンバーは、組織問題の根本原因をTOCの思考プロセスを使いながら発見していき、リーン開発やジョブ理論などの新しい知識を使いながら、自分たちに合った新しい世界観を苦しみながら作り上げていきます。

組織改革のポイントは、他社の成功事例などを形だけ真似して取り入れようとしてもうまく行かないということです。

組織体系やプロセスそのものを取り入れるのではなく、なぜ、そういう組織にしたのか、なぜそのプロセスがうまくいくのかという本質をしっかり理解した上で、自分たちの課題を解決し、自分たちが目指すものを作り上げるという発想で、新しい自分たちの体制やプロセスを作っていくということです。

鴨志田は、プロジェクトの進行を若手エンジニアの島崎に任せ、自分はアドバイザーとしてプロジェクトをサポートします。

任された島崎は、鴨志田の期待をはるかに上回る活躍をして、プロジェクトチームをまとめていきます。

若いエンジニアたちの葛藤や想いが、プロジェクトを強く前に進めていきます。

また、この物語で異彩を放つのは、コンサルタントの芳賀です。

芳賀は、常に表面的なことではなく、物事の本質で議論するようにメンバーを導いていきます。

行き詰まったプロジェクトメンバーに対して、直接答えを与えるのではなく、メンバーが気づくようなヒントを与えていきます。

60日は、かなりタイトなスケジュールですが、何度も壁に当たりながらメンバーは最後の答えを導いていきます。

60日後、社長や役員を前にした最終報告を通して、プロジェクトメンバーが様々な開発組織の思い込みや常識の裏にある落とし穴を克服していく姿を表現しています。

 

この本からの学び

この本から、組織改革のやり方についてたくさんのことを参考にして欲しいと思っています。

そもそも真の問題は何なのか、ということが一つ目の学びポイントかと思います。

組織には様々な悪い症状が出ていて、たくさんの問題があるように見えます。

それら一つ一つに対応するのではなく、それら多数の問題が因果関係で絡み合っていて、問題が連鎖しているということを認識して欲しいと思います。

そして、複雑に絡み合った問題の元を絶つことを考えるのです。

それがTOC(制約の理論)の思考プロセスであって、TOCのフレームワークは非常に奥が深いのですが、まずは問題の根本を押さえて、そこに手を打つということを覚えていただきたいと思います。

そして、その根本の問題を解決できるソリューションを、外の世界から見つけてくるわけです。

ただし、形を真似るのではなく、外の世界のやり方が、本当に自社の根本問題を解決してくれるかを検証しながら、取り入れるべきポイントを確認していきます。

この本では、問題を深掘りして、解決策を探っていく中で、理想論では社員の気持ちが付いて行かずに、起こしたい変化が起きないということに気づきます。

変化するためのシステムは出来ても、人心が付いて行かなければ変革は置きません。

人心に変化を起こすために、更なる仕掛けが必要なのです。

このように、根本問題の解決策の糸口が見つかっても、それを現実化するための更なる施策が必要になる場合があります。

つまり、解決策に障害があったり、副作用が起きたりすることを事前に予測して対策しておかなければ、改革案も絵に描いた餅になってしまうということです。

世界観づくりで、なかなか答えが見つからない中で、個人個人の自己実現の欲求という所にヒントを得て、エンジニア全員が何かのNo.1を目指す世界というのを想定していきます。

組織構造だけに意識を向けるのではなく、個人の存在にも重要な要素があるということも学んでいただけたらと思います。

この本の最後で、若手エンジニアの島崎の活躍に着目することろがあります。

若手の隠れた才能に気づかされる場面は、多くの企業でも、若手にチャンスを与えて才能を引き出すことにチェレンジしていただきたい想いを表現させていただきました。

ぜひ、この本を活用してください。

 

参考記事:

「製品開発組織の常識をぶち壊せ!!(賀門康至著)」出版のご案内

 

 

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