技術者は本当は自立したい

独り言

技術者って能力あるのに、何か損しているなぁ、というのが私がずっと感じていることです。

30年以上、製品開発現場を中心に技術者として、技術者の集まりの中で仕事をしてきました。

手前みそですが、自分も技術者であることもあって、技術者はもっと世の中で活躍できるはずだという想いをずっと持ち続けています。

「理系思考」(大滝令嗣著)という本の中で、エンジニアを飼い殺しにする大企業という章があるのですが、怖いのは本人が飼い殺されていることに気づいていないのだと私は思っています。

 

もっと、エンジニアだから出来ることがたくさんあるし、技術に直接かかわるだけでなく、技術を良く理解している強みを生かして、技術以外の仕事に就くこと、もっとはっきり言うと、もっとたくさんの有能な技術者、エンジニアが経営に携わって欲しいと切に願っています。

私は過去に、大手企業で開発部門の責任者をやっていたころ、自ら若手から幹部候補者を輩出するための育成プログラムを実施、牽引したことがあります。

経営学的なことを学んで、経営者の立場で考えることや、たこ焼き屋を開業すること想定して事業計画書を書く練習などをやって、自立心を養ったり、自分の棚卸しや、社外で活躍する人たちとの交流などによって、刺激を与えるようなことをやったのですが、当時、7人の若者(といっても30代から40代)を一年間預かったのですが、プログラム終了後、3年間に4人が退職して新しい道に進むことになったのです。

私の想いは、外を見て、自分に対する明確で高い目標を立てることで、会社内で活躍する場を広げてもらい、その中から将来の幹部に案ってくれる人が出ればと思っていたのですが、逆に外へ出ることを選んでしまったということです。

それぞれ辞める理由なども聞かせてもらうと、ネガティブな気持ちで辞めるのではなく、もっと外で活躍したい、もっと自分の可能性を試したいということで辞めるのだとわかると、引き留めようもないし、応援するよ、としか言えなかったと記憶しています。

 

ちょっと刺激しただけで、外に出る決心をする若者が多いということは、普段、あきらめていたか、周りに気づかずに生きていたのかと感じてしまいますね。

 

 

コンサル業を始めてから、やはりクライアント企業の社長が、若手の希望者を募って、幹部候補育成をしたいという話を聞き、過去に経験もあったのでプログラムを企画し提案して、10人の若手をやはり一年間預かりました。

テーマとして、会社の10年後、20年後の姿を考えて、改善策を提案する、ということをアウトプットとして置き、そのために経営、マーケティング、成功している会社の研究などをやりつつ、問題解決のフレームワークを教えながら、一年間でアウトプットを出すということをやったのですが、その中の一人が、プログラムの途中で、退職する決意をしたと私に挨拶に来ました。

聞くと、プログラムを通して外の世界を知り、また、”自分で考える”ということをやったことで、勇気が湧いて外の世界に挑戦したくなった、と言いました。

前回は自社の若者だったのですが、今回はクライアントさんの大事な社員だったので、聞いたときはちょっと青ざめましたが、上司も理解してくれて円満退社だということで、胸をなで下ろした事案でした。

今考えると、多くの企業内のエンジニアが、言葉は悪いですが井戸の中の蛙状態になっていて、外が見えているはずなのに、ちゃんと見えてなくて、そして日々やらされ仕事を忙しくこなしているだけという状態に、あまり不満も感じずにいたということなのかもしれません。

自分の可能性に気づき、もっとチャレンジしたいというパッションが生まれたとき、やりなおすきっかけのために、今の会社で変えるよりは外でリセットしたいと思うのかもしれません。

会社に残ったままでも変えて欲しいですけどね。

 

いろんな生き方があってもいいと思うし、失敗は若いうちにしてもいいのかなと思います。

 

 

個人的な想いですが、企業内のエンジニアで飼い殺されるくらいなら、フリーランス・エンジニアとして自立心、独立心を磨きつつキャリアアップするというのも悪くないと思っています。

フリーランスですから、会社という傘の下ではなく、個人事業主として独立して、しかも仕事を自分で取ってくる、あるいは継続的に使ってもらう努力をする、という自分に負荷をかけて成長していく道もあるのだと思います。

もちろんリスクはありますが、逆にうまく行けば、自分で稼いだお金は自分のモノにできるし、何より会社員ではないので、毎日、判で押したように通勤電車に乗って会社に通う必要もなくなるかもしれません。

同じ仕事の繰り返しではなく、いろんな企業から異なる製品を経験出来たり、異なる仕事のやり方に触れることも、知識と経験を広げることになり、将来に向けての糧になります。

 

本当は自立したいという想いが強い技術者、エンジニアのひとつの選択肢として、記憶に残していただければ幸いです。



フリーランスは、たくさんの選択肢のうちのひとつではありますが、大事ことは常に自立した人間、自立したエンジニアであることだと思います。

自立とは何か?

自分で考えて、自分の責任で、自分で行動が出来る人です。

上司から与えられた仕事を、地位な不満を持ちながら、でもこれが自分の仕事だと思ってやっている仕事は、たぶん、自立とは違うと思います。

今、自立していないと気づいたら、自分にとって”自立”とはどういう状態か(ゴール設定)、返上はどういう状態か、そして。現状からゴールに行くのはどうするかを考えてみましょう。

 

 

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