シニア起業すべきかどうかの3つの判断基準

起業ノウハウ

定年を意識し始めての不安

  • 定年後の生活で、金銭面、心の健康面の両方で心配
  • 起業も考えてみたいけど誰にも相談できない
  • シニア起業を考えるべきか決断できない

 

定年前に週末起業をやって、定年と同時に独立した私自身の成功事例をもとにアドバイスします。

 

記事の内容

  • シニア起業すべきかどうかの3つの判断基準
  • 現役時代の週末起業を勧めるわけ
  • 起業で失敗しないための3つのポイント

 

シニア起業すべきかどうかの3つの判断基準

そろそろ定年が見えてくると、どうしたもんかと考えますよね。

なんか自分でやってみたいけど、リスクは負いたくないし、具体的に何をどうやったらいかがわからない、という人って結構多いのではないでしょうか?

起業にも色々な形がありますね。

大それたことを考えなくても、技術系の人であれば、個人の能力や経験を使って他の人に指導する形で看板を掲げる技術コンサルとか、顧問という形がまず思い浮かぶと思います。

エンジニア、技術者と呼ばれる人は、必ず他の人の役に立てるコンテンツを持っていると、私はほぼ確証のようなものを持っています。

もちろん技術者としてのアイデアがあれば、製品やサービスを立ち上げての起業も出来ます。

ここではまず、起業の形に関わらず、シニア起業をやるべきかどうかを判断する3つの方法について説明していきます。

  • コミュニケーション能力チェック
  • 準備期間の長さと起業に向けた覚悟
  • 資金力、収入リスクの考え方

コミュニケーション能力チェック

起業するには、色んな能力や知識が必要ではあるのですが、とりわけ重要なもののひとつがコミュニケーション能力です。

なぜかというと、どんな形の起業であっても自分のこと(あるいは自社のこと)を顧客に正確に伝えることが最重要だからです。

口がうまいということではありません。相手が欲しい情報を理解し、自分とのマッチングを見て、必要な人に、自分を的確に伝えることで仕事を広げていく能力です。

この能力を測るのは簡単ではないのですが、まず、この能力をこれから学ぶとしてそれを吸収する能力、下地がどの程度あるかを見てみたいと思います。

簡単なチェックをしてみましょう。

次の質問に3択で答えてみてください。(点数を合計してみてください。)

  1.  転職経験はありますか? なし:0、 1回:1、 2回以上:2
  2.  海外駐在経験はありますか? なし:0、 3年未満:1、 3年以上:2
  3.  管理職の経験は? なし:0、 部下10人未満:1、 部下10人以上:2
  4.  社内研修講師の経験は? なし:0、 5回未満:1、 5回以上:2
  5.  プロジェクトリーダーの経験は? なし:0、 メンバー5人未満:1、 5人以上:2
  6.  会議での議長役は? 不得意:0、 頼まれればやる:1、 得意な方と思う:2
  7.  人に教えられる技術、ノウハウは? なし:0、 1つある:1、 2つ以上ある:2

7問の合計点が5点以下だと、この項目だけ見たときにきびしいと言えるかもしれません。

この項目だけで、起業に向いていないとは言えませんが、これまでの人生で自分のコミュニケーション力を鍛えるチャンスがあまり無かったということは言えると思います。

つまり、これからの人生でもちろんこの能力が育たないとは言えませんが、スタート時点で大きなハンデがあると思います。

逆に合計点が10点以上だと、コミュニケーションの経験としては申し分ありません。

注意して欲しいのは、この項目だけで決めないでください。あくまで、起業において必要な能力を身に着けるための経験を測るものです。

経験は少ないけど、自分を必要とする顧客を理解し、その顧客に自分を正確に伝えるコミュニケーションに自信があるという方は点数と関係なくこのチェックはOKとして構いません。

経験が少なく自信もあまりないという方は、これから自分を変えていき、自分を人に伝える能力をあげるため、例えば外部セミナーやコミュニティへの参加などで、自分のコミュニケーション力を上げる努力を自分でコミットできるかで判断してみてください。

準備期間の長さと起業に向けた覚悟

次に注目したいのは、起業準備としてこれから使える時間と、起業するとしたらその覚悟の強さです。

起業を悩んでいる人の最大の悩みは、起業するネタというかアイデアそのものだと思います。

アイデアをこれから引き出したい人も、アイデアがあるけど自信がない人も、そこから出発してアイデアを起業できるまでの状態にしていくプロセスが必要です。

ということから時間はやはり重要なファクターです。

そして、起業に成功するかどうかは、<残された時間>×<起業に向けた覚悟>だと言えると思います。

私の場合、58才6か月までは、大企業でそれなりの役職について目いっぱい働き、定年まで1年半という時間をもって準備をスタートしました。

そのときのアイデアは、自分で言うのもおかしいですが、とてもチンケなものでした。

しかし、100%の覚悟で進めた自分としては、1年半という時間は、結果的に十分(必要十分というのが正確)な時間でした。

あなたの準備に使える<残された時間>はどれくらいですか?

また、起業に向けた覚悟は、パーセントで言うとどれくらいですか?

数年後に自身で起業しているかどうかの自分なりの確率で考えてください。

例えば、50-50、つまり確率50%なら、起業への覚悟が50%とします。

起業すべきか、雇用延長すべきか、あるいは転職という方法はどうだろうかと頭の中は、悩みでいっぱいです。

現職の仕事をしながら、あっという間に3か月、6か月という時間が過ぎてしまいます。

身に覚えはありませんか?残された時間が2年だとすると、半年をボーっと過ごすと25%を無駄にすることになります。

私の場合、1年半で覚悟が100%で十分だったという話をしましたが、十分の意味はぴったりだったという意味で、覚悟50%なら1年半の倍くらいの準備期間を持つべきと思います。

時間と覚悟を考えながら、もう一つ考えるべきなのは、起業するためのネタ、起業プランを固めなければならないことです。

この作業にどれくらい時間が必要なのかを見積もる必要もあります。

起業ネタ(知識、製品、サービスなど)、ここで私はコンテンツという言い方をしたいと思いますが、あなたの強みを商売道具に変えることをコンテンツを作る、と言うことにすると、コンテンツの仮説を作って、検証して確証を得る1サイクルを例えば3か月と置くと、コンテンツの仮説に自信があれば、2サイクルくらい、自信がなければ3~5サイクルくらいは取っておくべきと思います。

この仮説検証を現職の仕事をやる傍らで進めなければなりません。

<残された時間><覚悟の強さ><コンテンツ仮説の自信>

この3つのファクターをご自身でよく考えてみてください。

覚悟の強さから、必要な時間(100%なら1年半として)を考え、その期間で仮説検証してみたいと思えば、一歩前に出る判断をしてください。

誤解しないで欲しいのは、そもそも起業するか悩んでいる人は、ほぼ全員がコンテンツに自信がないのだと思います。なので、自信がないならやめなさい、ということではありません。

むしろ、早く覚悟を決めて、仮説検証にたっぷりと時間を取って欲しいのです。

そして、前に進めば、覚悟の強さは徐々に上がります。

アイデアが陳腐だと思うならば、アイデアを育てるための勉強を今日から始めることです。

資金力、収入リスクの考え方

シニア起業を考える場合、私は資金的には身の丈でやることを強く勧めます。

一攫千金を狙うという下心を持つなとは言いませんが、下心は奥にしまったまま、現実的な進め方をしてください。

技術コンサルや顧問などで独立・起業を考えるならば、資金はそれほど必要ないかもしれませんが、PC、IT環境、オフィス用品やホームページなどを作る費用、自分の給料、インフラ経費、広告費などの運転資金など、必要な金額はしっかりと確保しなければなりません。

製品やサービスで起業する場合は、それなりの資金が必要です。

法人なら、設立の費用もかかります。(個人事業なら不要)

個人の資産の余裕にもよりますが、起業のための借り入れはあまりしない方がいいです。

半年~1年くらいは、売り上げがゼロでも大丈夫な資金計画が必要です。

売上ゼロの期間を少しでも減らしたいですよね。だから、早く覚悟を決めて早く始めるべきなのです。

助成金などの仕組みもありますが、まずは自己資金だけで、どれくらい時間を使えるか、どれくらいのリスクに耐えられるかを早めに検討しましょう。

資金の見通しと、リスクを把握できると、やるべきことが見えてくるはずです。

資金の状況を考えるときに、次項で説明しますが、現職で働けていて副業や準備期間でいられる時間は資金的リスクは非常に小さいということで、上記のリスクは、あくまでも現職から完全に独立した後のことを考えるということです。

 

現役時代の週末起業を勧めるわけ

私自身は、定年まで1年半という準備期間で、週末起業を始めました。

50才くらいの時に、藤井孝一さんの「週末起業」という本を読んで、これに刺激を受けていたので、定年後に起業することに迷いは全くなかったです。

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定年までの一年半という期間に、個人事業主として届け出をだして、大企業に籍を置きながら事業を始めたのです。

結果的には、この個人事業は失敗に終わるのですが、副業ですから収入面でのリスクはまったくと言っていいほどありませんでした。

この状態を使わない手はありませんよね。

事業は失敗しましたが、1年半のうち1年を使った生まれて初めての個人事業では、大きな収穫もありました。

まずは、集客のためにホームページ作成を独学で始めて、1年後には自分のホームページを複数作ることが出来るようになっていました。今でもホームページ作成を習得したことは、現仕事に大きく貢献しています。

そして、何よりもWebを通して見込客との関係性を作ることの重要性、モノを買ってもらうことの難しさ、また、それらに再チャレンジする上で何をすべきかを学びました。

1年半のうちの1年は、いろんなことを吸収できた貴重な期間になりました。

残りの半年は、具体的に今のコンサル業への準備です。

リーン製品開発手法を指導するというコンテンツを作って、お試しのセミナーなどをこなしながら、コンテンツを自分のモノにして、定年の3か月前には、コンサルとしてのデビューを果たし、大手企業に籍を置いたまま法人を設立して、売り上げを上げることが出来ていました。

私のいた会社も副業は禁止されていましたが、定年まで1年半だから万が一ばれても関係ないという気持ちでやっていました。

この一年半の週末起業での助走期間がなければ、今の私はないかもしれません。

 

起業で失敗しないための3つのポイント

どんなことでも”絶対”ということはありません。

起業も絶対に成功するということはないと考えましょう。

失敗しない、あるいは失敗の影響を最小に抑えるための3つのポイントをお伝えします。

リスクを常に考える

資金的なリスクはもちろん、変化へのリスクも忘れないことです。

現代は変化の激しい時代です。順調であっても最悪のシナリオを頭において行動することが大切です。

立ち上げ直後は色々なことを手探りで進めるので、十分に周りのことを注意して進めるのですが、ある程度仕事が回ってきたときが大事です。

少ない顧客に依存している、次の見込み客のリストが少ない、社会状況の変化の兆しなどのチェックをマネージしてください。

サラリーマン時代の超ローリスク・ローリターンの状況とは全く異なります。

自分の成果は全部自分のものである反面、リスクはすべて自分に降りかかってきます。

収入がない場合に、どれくらいの時間でお金が無くなっていくかを数字で捉えてください。

最大のリスクの管理は、お金と時間です。

一か所に留まらない

これも変化のリスクに関係しますが、順調であっても一か所に留まらないことです。

常に次のこと、新しいことを追いかけ続けてちょうどいいくらいです。

コンテンツを増強する、あるいは種類も増やし続ける努力をしてください。

コンテンツは時間とともに必ず陳腐化するし、お客さんの立ち位置も必ず変化します。

同じ場所に留まることは、ビジネスとしては死を意味するのだと思います。

むやみに手を広げるということとは違います。

常に顧客との距離感を測るということを心がければ、留まることの危険を察知することができます。

楽しんで、一所懸命働く

起業で成功した人たちが開くセミナーで、お金と時間を手にして、年に何回も家族と海外旅行に行けますよ、なんて広告と出会ったことはありませんか?

確かに成功して、自由な時間とお金を手にする人はそれなりにいると思います。

それを夢見るのは悪いことではありませんが、まず、ある程度突き抜けるまでは一所懸命働きましょう。

サラリーマン時代とは違い、仕事はすべて自分のためだし、見返りも損出もすべて自分のモノとしてかえってきます。

残業なんて概念はありません。

でも、楽しんでやりましょう。

成功を掴むために、毎日が楽しいという状況で仕事を続けるためには、コンテンツを伸ばして、会社を伸ばす計画をしっかりと持つことです。

楽しいこと、つまりやりたいことをやるために、自分の人生の目的を設定することや、自分を客観的に見つめ続けること、そしてコンテンツを磨き続けることなどを、私の経験からもっと伝えたいと考えています。

最初に挙げたコミュニケーション力の上げ方、アイデアや起業ネタの作り方、育て方などをセミナーでお伝えしています。

 

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