起業に限らず、企業勤めを続けるとしてもメンターとの出会いは大切です。
運もありますが、待っていてはチャンスを掴めないかもしれません。
行動あるのみです。
私が今があるのは、たくさんのメンターとの出会いがあったからだと思っています。
特に、稲垣公夫さん(グローバリング(株)社長)との出会いがなければ、現在のコンサルタントという仕事はしていなかったのだと思っています。
彼は、企業勤めのころから、何冊か本を書いていたり、海外の本の翻訳をしていたりしました。
特に、彼は生産に関する仕事をずっとなさっていて、トヨタのリーン生産に関する海外の書籍を翻訳したりしていました。
彼と出会ったのは、米系のEMS企業の日本法人で、彼は生産のエキスパートでもあり、米国本社からのスカウトで日本法人の社長に赴任されました。
その少し前に、私はヘッドハンティング会社を経由して、その会社の製品開発部門の日本の責任者として雇われていました。
約8年間、彼といっしょに働き、その後、それぞれの道に進んでいったのですが、2010年ころ、稲垣さんから、アメリカでトヨタの開発手法が広まっている、ということを発見したと私に言ってきました。
翻訳の仕事で、彼が「リーン製品開発方式」と言う本を翻訳したときにそこに書いてあったということだったと思われますが、良く聞いてみると、セットベース開発手法といって、「わからないことを一つ一つつぶしてから詳細設計するプロセスなんだ。」と言っていたのですが、それを聞いたとき、何かそれって「当たり前のことじゃないですか?」って私が言ったのを思いだします。
しかし、実は、この当たり前のことが多くの会社で出来ていないということだとわかって、当時、私が勤めていた大手企業で、リーン開発手法を試してみることになり、その活動が大きな転機となって、私もリーン開発に引き込まれていったのです。
稲垣さんは、翻訳作業を通して得たリーン開発手法についての知識を、「開発戦略は意思決定を遅らせろ」という著書で、日本に紹介することになります。
この本は、私のコンサル活動の起点となったもので、バイブル的な存在です。
2016年が終わろうとするころ、英語通信教育事業を撤退することを決めて、稲垣さんに来年はいっしょにやらせてください、という話をしたところ、ミシガン大学でリーン生産方式などを教えていて、かたわら中国でLean Enterprise Chinaという組織を作って、中国にリーン生産やリーン開発を広めようとしてるDr. Marcus Chao という人を紹介してくれると言ってくれました。
私が英語のレジメを稲垣さんに託したところ、Marcusから、ぜひ一度話したいと言われ、同時に2017年6月に上海で行うリーン・サミットで私に登壇して欲しい、という話が来ました。
その後、Marcusと何度か電話会議を行い、リーン・サミットの目的や概要の説明を受け、私はこんな話なら出来るよ、という提案をして、登壇させていただくことが決まりました。
さらに、Marcusの中国での活動の中で、スタートアップ企業を支援する団体とのつながりがあり、サミットの前の4月にも上海にきて、スタートアップ企業向けの講演会をやってみないかと提案されました。
私は、即OKと返事をして、4月のスタートアップ向け講演会、6月のサミットにも登壇させていただき、コンサルタントとしてのスタートで、背中を押していただくことになりました。
このMarcusとの出会いも、非常に大きかったと思います。そしてこのMarcusを紹介してくれたのも、稲垣さんでした。
この他にも、2017年の5月末には、台湾で政府系コンサル企業CSD主催のセミナーで稲垣さんと共に登壇させていただき、台湾企業とのネットワークも広げることが出来ました。
中国や台湾企業とは、その後、実際のビジネスでの結びつきはありません。
しかしながら、この一連の活動を通して、私の持っていたコンテンツの価値を、実際の人々の前で試すことができ、それなりに高評価をしていただいたことが、どれだけ私の自信につながったかははかり知れません。
私は、運が良かったのだと、事あるごとにお話しさせていただいています。
私は、この運を、これから起業を目指そうとする後進の方々に引き継いでいきたいと思っています。
手始めとして、私が書いた「シニア技術者 再生の手引書」という小冊子(PDF版)を、ご希望の方に無償で差し上げます。
info@futureship.jp 宛てに「シニア技術者再生の手引書」希望と書いてメールをいただければ、お送りさせていただきます。(何か一言添えていただければ尚うれしいです。)
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