TOC(制約の理論)を学べた幸運

一生勉強

日本で「ザ・ゴール」という本が流行ったのは2001年から2002年ころで、ここから日本でのTOC(制約の理論)が広まっていきますが、現在の製造業の企業内での認知度は、実はそんなに高くないと感じています。

 

2017年7月末で大手企業を退職して、本格的に製品開発コンサルタントとして活動を始めて、クライアントさんにも恵まれ、順調なスタートを切り始めて少し経った2017年秋ころ、先輩コンサルタントの稲垣さんから、ゴールシステムコンサルタント(GSC)というTOC(制約の理論)を中心にコンサルティングサービスを展開している会社の村上社長をご紹介いただきました。

以前にもGSCのセミナーに参加したときに、村上社長とは名刺交換をしたことがあったのですが、具体的に製品開発に関するコンサルビジネスを始めたことで、協業の可能性もあるのではないかということで、面通ししていただきました。

食事会を設定いただいて、意見交換してお互いに好印象を持ったところで、具体的に何ができるか話しましょうということで、GSCの担当を交えた打ち合わせをしたときに、お互いの相乗効果も出せそうだということになり、まず、GSCのコアであるTOC(制約の理論)を学んで欲しい、という申し出をいただき、たまたまその月と翌月の1カ月間で、8日間のセミナーがあり、参加いただけないかと打診がありました。

結構高額なセミナーだったのですが、こちらからの招待なので、オブザーブという形で参加してください、とのことでした。

スケジュールは大丈夫だったので、参加させていただき、丸一か月の最初の4日間、最後の4日間のセミナーを受けさせていただき、良い勉強をさせてもらいました。

TOCという理論は、イスラエル人の物理学者であるエリヤフ・ゴールドラッドという人が提唱する理論で、2001年ころ、「ザ・ゴール」という本が翻訳され日本に入ってきた考え方です。

 


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当時、日本でも本屋さんで平積みになっていた本だったので、読んだ記憶はあるのですが、工場のボトルネックを見つけて、ボトルネックに手を打つ話だ、くらいの印象でした。

しかし、学んでみると、工場の改善だけに限らず、企業内のどの組織でも使える問題解決のフレームワークであることがわかりました。また、ち密に計算されて、しかも現実の泥臭い世界を良く考慮したフレームワークで、言っていること一つ一つはどれも言われてみれば当たり前のことでありながら、それを見事に形にしたものであると思いました。

組織の問題を因果関係で結びながら、その根本の問題を探し出すプロセスは、何か問題が起きると、すぐに対処療法に走る現実の世界から、本質の正解へ導いてくれる気がします。

TOCの問題解決フレームワークは、思考プロセスとも呼ばれるそうなのですが、論理的に考えるという基本的な訓練をしないと、この壮大なフレームワークを完結することが難しいこともわかってきました。

GSCでのトレーニングの中で、一番最初にやるのは、企業内で起きている問題を対立解消図、別名クラウドで表すことを学びます。TOCの中で肝と言ってもいいかもしれません。GSCのクラスでは、初日にクラウドの作り方を学び、その後、一か月の講習会が終了するまで毎日一つずつクラウドを作る練習をします。講師が雑誌の記事を選び、受講生はその記事を読んで、誰の立場の問題がそこに存在するのか、そしてその問題の本質となる対立やジレンマは何かを考えて、それをルールに従ってクラウドに書きます。

 

 

このトレーニングは私にとって非常に有効でした。何が有効だったかというと、日々起きている問題をどう捉えるかが、人によってものすごく違うということを改めて発見したことで、問題の捉え方に正解はないとしても、論理力の弱い人が、表面的にしか問題を捉えていないこと、問題の本質を捉えようとしているのに、ソリューションばかりを先走って考えてしまう人などがいて、こういうバラバラな認識をする人が集まって、問題解決しようとするのが普通の姿なのだと気づかされたことでした。

私は、このクラウドにはまってしまいました。

この講習を受けている最中に、ある企業とのコンサルティング契約を結んでいただき、すぐに仕事を開始したのですが、仕事の本流は新規事業を立ち上げるお手伝いをするということでしたが、プロジェクトを始めるときに、クラウドの練習をして論理思考力を鍛えましょう、と提案して、以来その企業さんとはずっとクラウド作成の練習を続けています。

非常に好評で、皆さん真剣に取り組んでいただけているのと、実は私は、この企業さんとクラウド演習をすることで、論理思考力が短期間で高まったと自分でも感じています。

クラウドに関して、岸良裕司さんが書いた「考える力をつける3つの道具」という本があります。

 


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非常に易しく書かれた本で、クラウドについての解説を小学生でもわかるように教えてくれます。

この本にも紹介されていますが、TOCを子供の教育に使っている人たちもいて、小学生くらいの子供たちが作ったクラウドなども紹介されています。

2017年の秋にTOCの講習を受け、その直後にお付き合いを始めたクライアントさんとクラウド演習を始めて以来、私のコンサルの本流ではないものの、多くのクライアントさんとクラウド作成による思考力強化を進めています。

 

クラウドを知ったことで、論理思考力の違いがこれほどはっきりわかるツールはないな、といことと、人間の論理思考力は鍛えられるのだと気づきました。

 

 

個人的な感想ですが、クラウドを取り組んで20回くらいクラウド作成で悩んで上達していくと、明らかに本質を捉える力、論理思考力が上がると思います。

さて、TOCの中で、クラウドは非常に重要な基本のピースですが、問題解決のフレームワークはクラウドだけではなく、様々な検討をステップバイステップで進めていく、非常に大きなフレームワークになります。

起業後、約3年間の間に、いくつかの企業の開発部門とお仕事させていただいて、現場の問題を間近で見せいていただくことで、私は多くの製造業の開発部門で共通の課題が多いことに気づきました。

それで、自分なりにTOC(制約の理論)の思考プロセスを使って、開発組織の共通の課題とその本質を捉えてみることにしたのです。

そのときにやった内容を記事にして別サイトに掲載しています。良かったらご覧ください。

 

組織問題を悪い症状(UDE)として捉える | フューチャーシップ
TOC(制約の理論)を使って製品開発組織の問題を読み解く第一弾です。様々な製造業の開発部門で起こっている組織問題の共通項を症状として捉えていきます。

 

さて、冒頭のGSCさんとは、それ以降、正式にお仕事はしていませんが、時々、情報交換はさせてただいています。近いうち、協業させていただきたいと思っています。

開発組織の問題解決にお悩みの方で、TOCにご興味がありましたら、このページのお問い合わせフォームでお知らせください。

 

 

 

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