キラーコンテンツを作り育て続ける

起業ノウハウ

コンサルとして起業するためには、コンサルとしての商売道具を持っていなければなりません。ずっと継続して事業をするために必要な道具が、キラー・コンテンツです。

 

キラー・コンテンツとは

コンサルタントとして生き続けていくためには、キラー・コンテンツを生み出し、それを育て続けなければならないと思います。

キラー・コンテンツとは、お客さんがお金を出して買ってくれるものです。

お金を払うだけの価値があり、お客さん自身が結果として、お金を出した分以上の価値を享受してもらわなければなりません。

出したお金の10倍くらいに価値を感じてもらえれば、満足度はそこそこに得られると言えると思います。逆に10倍以上の価値がなければ、満足度もそれにしたがって減少するものと考えましょう。

また、別の言い方をすると、キラー・コンテンツは顧客がどうしてもやりたいことであって、でも顧客自身では出来ないことであれば、顧客が感じる価値は高まります。

つまり、コンサルタントとして自分しかできないものであって、顧客は本当はやりたいことである必要があります。

お客さんがやりたいこと、つまり到達したいゴールを明確にしましょう。できるだけ、到達したかどうかがはっきりわかるゴールにしましょう。

何となく前よりも良くなった、というゴールでは価値は感じてもらえません。成果がはっきりとわかるゴールを設定して、自分のコンテンツで、お客さんをそのゴールに連れていってあげられるかが、コンテンツの質を評価するカギになります。

経営者の視点で価値を考える

お客さんのゴールを考えるときに、ひとつ注意しなければならないのは、お金を払ってくれるお客さんを想定しなければならないということです。つまり企業でいうと、経営者かまたはそれに準ずる人、決済出来る人ということです。

お金を出す人にとって10倍の価値を返すのですから、お金を出す価値を理解できる人を顧客と捉えることにします。

例えば、私の例で話を進めていくと、「リーン製品開発手法を教える。」というコンテンツを持っているとします。

そのときの企業の立場で価値を理解できるお客さんのゴールは、

  • リーン開発の概要を知りたい
  • リーン開発手法を試してみたい

ではありませんよね。

コンサル側が、もしこのゴールで仕事を進めたとすると、お客さんは、やり方は何とかわかったけど、面白そうだけど、結局、何も成果が出なかったね、ということになってしまいます。

企業の経営者、または決裁者が本当にやりたいのは、例えば、開発期間を現状の半分にする、とか、今までに開発したことのないヒット商品が開発できる、ということが達成されて、初めて「リーン開発手法を教わる。」ことに対する価値を感じてくれるわけです。

例えば、「開発期間を現状の半分にする。」ことがお客さんのゴールであれば、そこに到達する道筋を作ってあげなければ、極端に言うと、何の価値もないことになってしまいます。

ダメなコンサルタントというのは、教えるための教育パッケージをたくさん持っていて、それを一方的に与えるだけで、あとの料理はそっちで勝手にやってください。

私は教えられることはすべて教えましたよ、というコンサルタントだと思います。

こういうコンサルって結構多いと思います。

特に大手コンサル系のプログラムって、知識ばかりたくさん置き土産のように置いていくけど、終わってみたら何も残らなかったということが良く起こっているようです。

大企業の幹部の人で、コンサル嫌いというか、かつて上記のような目にあって失敗したと思っている人は結構います。正直、我々にとってはやりにく状態にされているという感じです。

 

顧客をゴールまで連れていく

顧客が本当に到達したいゴールに連れていくためには、知識だけでは不十分で、現場の課題の本質を理解する能力、理想論が通らない事情、それらゴール達成の障害になることを解決することができる問題解決力がなければなりません。

もちろん、実際にゴールに到達するのはお客様自身なので、コンサルタントだけが仕事をするわけではなりません。コンサルタントとお客さんが一体となって、ゴール達成を果たしていきます。

そして、キラー・コンテンツとは、知識供与とゴール到達までの一連の活動を合わせたものということになります。

コンテンツを作るというのは、お客さんが、コンサルタントの持っている知識に共感するとともに、その知識を使ってゴールに到達するストーリーを共に完成させる必要があると思います。

例えば、私がリーン製品開発を使って、開発組織の改革をするときは、大まかにいうと以下のようなストーリーを考えます。

  1. リーン開発とは何か
  2. リーン開発の成功事例
  3. 今起こっている開発組織の問題の棚卸し
  4. 到達したいゴールの設定
  5. ゴールと現状のギャップ分析
  6. 解決策を考える(リーン開発が適用できるところを使う)
  7. 解決策を実施する障害や副作用を洗い出す
  8. 障害を乗り越える実行計画を立てる
  9. 実行する

ざっとこのようなストーリーを考えて、ストーリーに必要な知識を共有しつつ、手足頭を動かして、実行計画を立てていきます。

このストーリーを確実に実行していくためには、知識提供段階、計画立案段階、そして実行段階のすべてのフェーズで、あなたの経験を生かしていくことが大事です。

知識だけでは化けの皮がすぐにはがれます。特に障害や副作用、それらの対処法は、いわゆる教科書には載っていないことが多いはずです。

このストーリー全体を作り、そして何度か顧客といっしょに実行する中で経験を上乗せして、コンテンツを育てていかなければなりません。

それがコンサルタントの仕事だと思います。

セミナーを企画してみる

コンテンツのストーリーを設計できたら、全体のストーリーをコンパクトにまとめて、2~3時間くらいのセミナーにまとめてみてください。

セミナーもタイトルを決めて、目的、対象は誰か、そしてセミナーの目次を作ってみてください。

セミナーの準備が出来たら、本当にセミナーを実行してみましょう。

 

 

貸会議室などの場所を確保して、日にちを決め、集客の方法を考えて、セミナーデビューをしてみましょう。

企業にお勤めであれば、社内勉強会のようなものでもまずはいいと思います。

自分のコンテンツを実際のリスナーを使って試してみてください。

オープンセミナーであれば、有料にするか、無料にするか、自信があれば有料にチャレンジしてみてください。

ただし、集客力は例えば1,000円と無料というだけでも大分違ってきますので、最初は無料でやって、フィードバックをもらうことに専念するのがいいと思います。

必ずアンケートなどでフィードバックはもらってください。

私が今でもやっているオープンセミナーの一つの目次を例としてご紹介します。

タイトル:マーケティング思考力強化セミナー

  1. 技術主導、プロダクトアウトの限界
    • 大量生産時代に生まれた偶然の成功者
    • 時間軸で孤立したイノベーション
    • マーケティング理論の変遷
  2. 製品軸から顧客軸に思考シフト
    • ジョブ理論(JTBD)の基礎
    • 間違った競合の考え方
    • <ワーク>競合の見損ない
  3. 顧客観察と質問力で真のニーズに迫る
    • 製品購入動機のしくみ
    • <ワーク>顧客・インタビュー
      ロールプレイで顧客の心の中にある潜在ニーズを聞き出す
    • デザイン思考・ストーリー思考で考える
    • 様々なジョブの形
    • <ワーク>ストーリーを書きだす
  4. 戦略的なイノベーションの起こし方
    • イノベーションのプロセス
    • ダーウィンの海こそ宝の山
    • エコシステムの拡張と継承
    • <ワーク>事業の価値向上

年に2回くらい開催していて、一人当たり4万円近い受講料をいただいています。

やるたびにフィードバックをいただき、内容をブラッシャップしたり、この内容を使ってクライアント企業の課題解決を実行しています。そして、クライアントで成果が出れば、それがまた自分の経験と知識として上乗せされていくわけです。

無料メールセミナー

ここまでざっとコンサルタントとしてキラー・コンテンツを作り、育てていく話をしましたが、もしこの記事をご覧になって、これから技術コンサルタントのようなことをやってみたいという人たちがいれば、自分の経験をお伝えしたいと思っています。

「シニア起業準備無料メールセミナー」をやってます。(現在、停止中

 

技術コンサルとして起業準備するためのステップをお伝えする7日間の無料メールセミナーです。

  1. 決意表明
  2. ポジショニング
  3. 何を売るか
  4. 誰に売るか
  5. どうやって売るか(1)
  6. どうやって売るか(2)
  7. 起業準備

という内容で、私が経験してきたことから皆さんにノウハウをお伝えします。

無料メールセミナーにお申し込みいただくと、「シニア技術者再生の手引書」(私著、PDF版)をプレゼントさせていただきます。

 

 

このセミナーの中でも、キラー・コンテンツの作り方を解説しています。

参考にしてください。

 

 

 

 

 

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